一口馬主出資の現実

●一口馬主(共同馬主)と呼ばれる、競走用馬ファンドに出資した場合の実際の収支を例で紹介します。(あくまでも一例です。個々の馬、各クラブで異なります)

 例1)2000万募集牝馬が未勝利(0-0-0-5 入着賞金0円)で3歳9月末に引退→繁殖

 支出
   馬代金    2000万
   競走馬用保険 約110万 ……募集額の約3%(一年分)が2歳1月から
   維持費    1260万 …… 一般的なクラブで一月60万×21ヶ月  

合計 約3270万

 収入
   出走手当  約150万 …… 税金等控除後一走当たり約30万
   見舞金(引退) 170万 …… 怪我・休養などの見舞い金があれば増える
   維持費余剰金 250万 …… 入厩期間が長いと少ない・厩舎によって差がある
   売却代金   100万 …… 繁殖牝馬として売却できた場合  

合計 約670万

収支 ▲2600万
(馬代金全額とさらに+αの損失)

 例2)3000万募集牡馬が(5-2-1-12 入着賞金6500万)で5歳8月末に引退→乗馬

 支出
   馬代金    3000万
   競走馬用保険 約270万 ……募集額の約3%(一年分)が2歳1月から(5歳非加入)
   維持費    2640万 …… 一般的なクラブで一月60万×44ヶ月  

合計 約5910万

 収入
   馬主賞金 約5100万 …… 入着賞金+(付加賞・奨励賞・手当て他)−(進上金・税金他)
   出走手当  約600万 …… 税金等控除後一走当たり約30万
   見舞金(引退) 170万 …… 怪我・休養などの見舞い金があれば増える
   維持費余剰金 450万 …… 入厩期間が長いと少ない・厩舎によって差がある  

合計 約6320万

収支 410万

   募集額の2倍以上の賞金を稼いでやっと収支がプラスに
   *新税制によりこの410万から源泉税が10〜20%控除されます。

●出資額に対して損失を出さない為には、ものすごく大雑把には、募集額の倍の賞金を獲得する活躍が必要なようです。(募集額、現役期間等によるので一概に断言はできません。)各クラブの会費(一般的に年間36000円)も含めて収支をプラスにするとなると、当たり馬に大口出資するか、複数の馬が相当の活躍をすることが前提となります。

*当サイトは、「募集額に見合う賞金を稼いでいるか」という一口馬主クラブの募集額の妥当性に注目して集計しているので、「黒字馬」は獲得賞金が募集額を上回った馬としています。
この単純な集計方法で「黒字馬」は募集馬の約2割(一番優秀なラフィアンで約3割)です。
出資の際の収支の現実から、実際に既募集の競走用馬ファンドで収益(会費分除く)を上げられた馬はさらに少ないと予想されます(一説には12.8%)。


20080122    更新